食品に含まれる割合

■ 日本の食品に含まれる総脂肪酸中のトランス型脂肪酸の平均割合
食 品 例 平均割合
マーガリン 13.5%
バター 4.1%
チーズ 5.7%
牛乳 4.5%
食パン 9.3%
ドーナツ 0.8~23.9%
フライドポテト 0.8~19.5%
レトルトカレー 6.2%
牛肉バラ 4.9%
牛肉ヒレ 2.7%

(日本食品油脂検査協会調べ)

※チーズは牛乳を原料とする。含有量は銘柄によるばらつきが大きく、数字はおおまかな目安。

揚げ油を切り替え

アメリカでは、ハンバーガーチェーン大手ウェンディーズは2006年6月8日、フライドポテトやチキンに使用する揚げ油を、心臓病の原因となるトランス脂肪酸の生成を最小限に抑える植物油に切り替えると発表した。

トランス脂肪は、フライドポテトの供給業者が下処理を行う際にも生成する。そのため、フライドポテトのトランス脂肪含有量をさらにカットするための取り組みを供給業者との間で進めた。

コーン油と大豆油をブレンドした新しい植物油

ウェンディーズは、北米地域で展開する全6300店で、コーン油と大豆油をブレンドした新しい植物油を2006年8月から採用した。これにより、ウェンディーズで提供される揚げ物メニューのトランス脂肪含有量は95~100%カットされることになった。

研究開発(R&D)担当上級副社長のロリ・エストラーダ氏は「(今の)トレンドはややヘルシー志向よりだ」とコメントした。「当社製品を調査し、栄養的に改善したかった」と述べた。

チキンメニューの含有量はゼロに

新しい植物油への切り替えで、サンドイッチ、ナゲット、ストリップなどチキンメニューのトランス脂肪含有量は全てゼロになった。フライドポテトの場合、ラージサイズで従来の7グラムから0.5グラムにカットされ、キッズサイズではゼロになった。

フライドポテト等を毎日食べなければよい?

日本生活協同組合連合会(東京都渋谷区)は、11品目のマーガリンを取り扱っていた。同安全政策推進室は「トランス型脂肪酸の含有量を減らすことは技術的に可能だが、今のところ、そこまでする必要性は低い」との見解だった。

食品の油脂問題に詳しい専門家は「フライドポテトなどトランス型脂肪酸の多いものを毎日たくさん食べるような偏った食生活をしない限り、リスクはきわめて小さい」と解説した。